埋伏智歯とは?
【埋伏智歯】について
🔸智歯とは…歯科用語で「親知らず」のことです。
そして「8番」(前から8番目の歯)とも呼ばれています。
おおむね10代後半~20代前半に生えてくるのですが、すべての方が上下左右に4本生えてくるわけではなく、上だけ、下だけ揃わない場合もあるほか、おおむね4人に1人の割合でまったく生えてこない方もいらっしゃいます。
仮に生えていたとしても、綺麗に並んでいるケースは数少なく、歯肉に埋もれていたり、斜めに生えているケースが大半を占めています。
🔸レントゲン写真でご自身の親知らずの有無を確認したことがありますか?
歯医者さんに通われている方は、何度かご自身の歯のレントゲン写真を見たことがあると思うのですが、その時、上下左右8番目の親知らずは確認されていましたでしょうか?
虫歯の状態や噛み合わせ、歯並びなどにより、親知らずを抜歯するケースもあります。
1.親知らずを抜かないといけないケースとは?
①噛み合わせに影響を及ぼしているとき
埋伏している歯の周辺の歯肉に悪影響を及ぼしていると判断されている場合
埋伏歯があることで、盛り上がっている歯肉が傷ついたり、その周りの歯が傾いてしまうことや隙間ができてしまうことなど、これが原因で噛み合わせが悪くなっていく場合、歯を抜く選択肢が浮上します。
痛いほうで噛まない、つまり反対側の奥歯で噛んだり、悪い癖が短期~長期的についていくことで噛み合わせの癖の影響が出てくるわけです。
②他の歯や骨に影響を及ぼしているとき(歯並びに悪影響を及ぼすと判断したとき)
水平に横たわっている状態でも手前の歯や骨を溶かしてしまうことがあります。
そのため、他の歯や骨に悪影響が出る前に、抜歯で対処する必要があります。
③炎症を繰り返すとき
④虫歯へのリスク
手前の歯との隙間に段差ができていることにより、歯磨きやデンタルフロスがより一層、難しくなり手を加えることが大変になってきます。
わずかに手が及ばないことが続いてしまうと、次第に虫歯のリスクを上げてしまうことがあります。
親知らずだけが虫歯になるのだけではなく、手前の歯を虫歯から守るためにも、正しい判断が必要になってきます。
2.埋伏歯・傾斜歯の治療法
①親知らずを抜く場合、まずは口の中の状態を確認する必要があります
一般的にはCTレントゲンを使い、埋伏歯の正確な位置関係を確認した上で抜歯方法を患者さんとお話しし決めていきます。
まずは麻酔をして、術中痛みを感じないように対処します。
そして歯茎を切開して歯を取り出し、穴の開いた部分は歯科専用の糸で縫合します。
通常であれば(真っすぐ生えている場合)30分~1時間程度で手術は完了します。
しかし、埋伏歯が大きい場合や奥深くから生えていたり、倒れこんでいる場合には歯を分割して取っていくのでそれ以上に時間のかかる外科手術です。
親知らずの本数や顎の神経にほど近い状態などは場合によっては入院を伴うケースもあり得るので総合病院や大学病院へお願いしていただくこともあります。
その場合は、紹介状をお渡ししております。
抜歯が終了すれば、切開した歯茎を縫合し終了となります。
②消毒のため、複数回来院→抜糸 (化膿がなければ終了)
3.抜歯後
①抜歯後はしばらく安静に
抜歯後の日常生活でいくつか注意点があります。
埋伏歯である親知らずの抜歯は歯茎を深く切開することになりますので、激しい運動や長時間のお風呂など体温や血流が上がる行為は、傷口が開いて出血してしまうことがあります。
通常は手術が完了してから3日程度は安静を心がけましょう。
②痛み止めの薬を服用する
埋伏歯を抜歯している間は麻酔がかかっているので、痛みを感じることはまずありません。
しかし麻酔は2~3時間程で効果がなくなるといわれており、その後は腫れたり痛みを感じたりします。
このような事態を想定し、歯科医院で痛み止めの薬が処方されますので、こちらを服用して痛みに対処しましょう。
痛み止めの飲み方については、自己判断せず必ず歯科医師、薬剤師の判断に委ねてください!
抜歯した後の腫れは時間が経過するとともに痛みや腫れは徐々に治まっていきます。
もし、痛みとは違う違和感を感じた場合は、早めの受診にご協力をお願いします
埋伏歯の親知らずは抜歯する必要もあれば、別にそのまま様子見等をしていても問題のないケースがあります。
もし、歯肉に痛みや手前の歯に親知らずが接していたり、虫歯になりそうなリスクを抱えている場合など、まずは歯科医院で診察を受け、どうすればよいのかアドバイスを受けましょう!