歯肉退縮②

歯肉退縮②

歯肉退縮②

2023.03.03

歯肉退縮が進行すると起こる症状

歯肉退縮が進行すると、次に挙げるような症状が現れます。

症状①知覚過敏になる

健康な歯は歯根面が歯ぐきに覆われており、冷たいものがしみるようなことはありません。
それが歯肉退縮によって歯根面が露出すると、外からの刺激を受けやすい象牙質までむき出しとなるため、知覚過敏の症状が現れます。
これは歯肉退縮によって最も起こりやすい症状のひとつです。

症状②ものが挟まりやすくなる

歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなった場合は、歯肉退縮が疑われます。
歯ぐきが下がることによって歯間距離が開き、食べ物が詰まりやすくなっているのです。

症状③歯が長くなって老けて見える

健康な人のお口は、歯と歯ぐきのバランスが良く、見た目も若々しく見えます。
それが歯肉退縮の進行によって歯ぐきが下がると、歯が長くなったように見えるため、見た目も悪くなります。
その状態を“老けた”と感じる人も少なくないでしょう。

症状④虫歯になりやすくなる

歯肉退縮が進行すると、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすくなると同時に、歯垢や歯石の沈着も目立つようになります。
その結果、虫歯のリスクも上昇します。歯周病ポケットが深くなっているケースでは、歯周病に気を付けなければいけません。

症状⑤歯がぐらぐらする

歯がぐらぐらするような症状が現れたら、いよいよ歯肉退縮も末期の段階です。
歯周ポケットもかなり深くなっており、歯ぐきだけではなく、歯を支えている歯槽骨まで破壊されていることを意味します。
治療が遅れると、抜歯せざるを得えなくなるため要注意です。

症状⑥歯が削れたり割れたりする

歯ぐきは歯を守る役割を担っています。そんな歯ぐきが下がると、歯根の部分の象牙質が露出して、歯が削れたり、割れたりすることがあります。
歯槽骨まで破壊が進むと、歯根そのものが折れる可能性も出てきます。

症状⑦歯が抜ける

歯肉退縮の症状が進行して、顎の骨の吸収も進むと、いよいよ歯が抜け落ちます。
日本人が歯を失う原因第1位が歯周病であるのはそのためです。
歯周病になると、歯ぐきと顎の骨が破壊され、歯を支えきれなくなるのです。

歯肉退縮が起きている場合の対策

もうすでに歯肉退縮が起きている場合は、次に挙げるような対策をとってください。

自宅で出来ること

まずは、お口の中を清潔に保つことが最重要です。
適切な方法で歯ブラシによるブラッシングを実践しましょう。
ブラッシング圧が強い人は、力のコントロールが大切です。
歯ブラシのかたさも「やわらかめ」を選んでください。
歯ぎしりや食いしばりがある人は、それらの習癖を取り除くことが大切です。
自分自身ではどうしても改善できない場合は、歯医者さんに相談しましょう。

歯科医院で出来ること

歯科医院では、歯肉退縮の原因に応じて、さまざまな治療法を用意しています。
ほぼすべての患者さんに行われるのはブラッシング指導です。
また、セルフケアでは取り除けない歯石などは、スケーリングなどで除去します。
それでも歯肉の状態が改善されない重症例に対しては、患者さんご自身の粘膜を移植する「遊離歯肉移植術(ゆうりしにくいしょくじゅつ)」などが適応されます。
いわゆる”歯周外科治療“を実施して、失われた歯ぐきを回復させます。

まとめ

このように、歯ぐきが下がる原因はさまざまで、それによって引き起こされる症状も多岐にわたります。
いずれにせよ根本的な原因を突き止め、しっかりと対策することが大切です。
加齢によって自然におこることでもありますし、何かしらの刺激によって起こることでもあります。
ご自身で治す方法は無いので、適切なブラッシングなどの予防を行うことで退縮をなるべく遅らせるという方法が良いかと思います。
また、外科的な処置を行うことも、自費でお金に余裕がある方であれば、検討されてみるのも良いのではないでしょうか?


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