赤ちゃんは虫歯菌を持っていない!感染経路や予防方法は?
赤ちゃんの口の中には虫歯菌が存在しないことがわかり、「虫歯は感染症である」ということが定説となっていますね。
しかし、約90%の大人が虫歯の原因菌であるミュータンス菌を持っている日本において、いかにして子供へ虫歯菌をうつさないようにするのか、うつしてしまった場合はどうにすればよいのかについて、今回はそんなお話です。
キスでうつる?虫歯菌の感染経路とは?
虫歯菌は、両親をはじめとした周りの大人から子供へ唾液を通して感染します。
食事の口移しやキスはもちろん、
- フーフーして冷ました食事を与える
- スプーンなどの食器の使いまわし
- タオルの使いまわし
などでも虫歯菌が感染する確率が高くなります。
また、母親に虫歯がない子供よりも「母親に虫歯がある子供」は約3倍も虫歯になりやすいという研究報告もあります。
虫歯を治したうえで、赤ちゃんへのキスはほっぺまでにしておきましょう!
3歳までの赤ちゃん「感染の窓」に要注意!
前述したように、赤ちゃんは虫歯菌を持っていません。
ところが、乳歯が生える生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月頃にかけて虫歯菌の感染数が増えていることがわかっています。
虫歯菌は、硬いところに好んで住み着く性質があるといわれます。
今まで硬いところがなかったお口の中に乳歯が生えてきたら、それは虫歯菌にとって格好の餌食になってしまうのです。
反対に、「感染の窓」に注意して3歳まで虫歯菌に感染しなければ、大人になってからも虫歯になりにくいという事です。
お子さんの健やかな成長のためにも、親御さんだけでなく、兄弟姉妹、祖父祖母含め、家族全員で虫歯予防に取り組みましょう!
そもそも虫歯菌ってなに?
これまで「虫歯菌」と言ってご説明してきましたが、この虫歯菌をもう少し専門的に言うと「ミュータンス菌」という細菌のことです。
このミュータンス菌に感染しただけでは、虫歯にはなりません。
では、どのように虫歯に進行してしまうのでしょう?
ミュータンス菌は、甘いものが大好物です。
この甘いものに含まれる糖分をエネルギーとして、バイオフィルムと呼ばれる細菌で出来たバリアを作り出します。
このバイオフィルムは、歯ブラシだけでは完全に落とすことができません。
その結果、バイオフィルムに守られ増殖したミュータンス菌が作り出す酸によって、歯が溶かされて虫歯になります。
「痛みが出てからでは手遅れ」というの場合もあります。
しっかりとした虫歯予防を行いましょう。
虫歯菌は殺菌できる?
すべての虫歯菌を完全に殺菌することはできません。
しかし、虫歯菌が身体へ悪影響を及ぼすことがないように、また、赤ちゃんへの感染リスクを最小限に抑えるために、虫歯菌の量をコントロールすることは可能です。
- フッ素入りの歯磨き粉で毎食後しっかりブラッシングをする
- 甘いおやつやジュースを控える
- ガムなどでキシリトールを取る
- 定期的に歯医者さんに行く
これらを2年間続けることができれば、主な虫歯菌であるミュースタンス菌はいなくなると言われています。
しかし、赤ちゃんが産まれる2年も前から虫歯予防をしっかりと行い、家族全員が虫歯菌ゼロという家庭はなかなか難しいと言えるでしょう…。
まずは、唾液検査から始めましょう!
唾液検査(シルハ)は、簡単に受けることができます。
当院の唾液検査を受けることで、
- 虫歯菌の量
- 唾液の酸性度、中和力
- 歯茎の炎症、出血
- 口臭の強さ
を知ることができます。
これらの検査結果から、虫歯リスクを知ることや普段の食生活や口内ケアの週間を見直すことにもつながります。
虫歯菌の感染を予防するためには、子供だけ・両親だけではなく、一緒に住む家族みんなで行うことが大切です。
赤ちゃんがいる&予定があるご家庭は、一度、近くの歯医者さんに行きましょう!