保険診療で使われるつめ物、被せ物について
虫歯治療におけるつめ物や被せ物というのは、保険診療でも実施することができます。
つめ物は比較的、小さな虫歯に対して行われる治療で、被せ物はかなり重症度の高い虫歯に対して行われる治療です。
専門的にはつめ物がインレー、被せ物がクラウンと呼ばれています。
▷つめ物(インレー)
①銀色の金属素材
主に奥歯のつめ物として使用される銀色の金属のインレー。
「金銀パラジウム合金」という金属が使用されます。
<メリット>
・金属なので強度が強く、強い力のかかる部位にでも使用できる
・保険適用の場合は安価
<デメリット>
・金属なので見た目が良くない
・時間が経つと金属が錆びて溶け出し、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性が高い(錆びにくい金属である貴金属は、保険では使えません)
②CAD /CAMインレー
ハイブリッドレジン。レジンと呼ばれる歯科用プラスチック(樹脂)にセラミック(陶器)の粉末を混ぜたもの。
2022年4月から保険適用が決まった、白いつめ物です。4番、5番の小臼歯と条件付きで6番(7番)の大臼歯へ入れることが可能です。
<メリット>
・色が歯に似ているので見た目が良い
・保険適用で安価で白いつめ物を入れることができる
・金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーがない
<デメリット>
・色は白いが色調が単調で透明感がない
・長年使用していると、だんだん光沢が失われ、変色する
・セラミックと比較して柔らかいため表面に傷がつきやすい。細菌で不衛生になる場合がある
・強度が弱く、噛み合わせ(咬合)によっては破折したりするリスクがある
▷被せもの(クラウン)
①金属冠(銀歯)
金属冠(銀歯)冠全体が金属で出来ている、いわゆる「銀歯」。保険でクラウン(差し歯)を作る場合には、基本的に前から4番目以降の歯はすべてこの金属冠(銀歯)
<メリット>
・金属なので強度が強く、強い力がかかる部位にでも使用できる
・保険適応なので安価
<デメリット>
・金属なので見た目が良くない
・時間が経つと金属が錆びて溶け出し、歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーなどを引き起こす可能性がある
②CAD /CAM冠
ハイブリッドレジンのクラウン(冠)です。レジンと呼ばれる歯科用プラスチック(樹脂)にセラミック(陶器)の粉末を混ぜたもの。
4番、5番の小臼歯と6番の大臼歯が適用となります。
2020年4月からはその範囲がさらに増え、上下第一小臼歯・第二小臼歯・第一大臼歯(真ん中の歯から4番目、5番目、6番目の歯)に対して保険適用になりました。
<メリット>
・色が歯に似ているので見た目が良い
・金属を使用しないので、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色、金属アレルギーがない
・天然の葉の硬さに近いため、噛み合う歯にダメージを与えにくい
・保険適応なので安価
<デメリット>
・時間が経つと変色する(見た目が悪くなってきます)
・強度が強くないので、奥歯など強い力のかかる部位には向かない場合がある
・すり減りやすいため、歯ぎしりや食いしばりが強い方には向きません
・汚れ(プラーク)が付きやすい
保険でできる白い詰め物・被せ物も可能な範囲が増えてきています。
つめ物、被せ物でお困りの方がいらっしゃいましたら、当院にてご相談ください!