妊娠中の歯科治療について
妊娠中の歯科治療について。
治療を行う際に、「妊娠中なのですが、大丈夫ですか?」「麻酔、薬などを使用して子供に影響ありますか?」などの質問をよく受けます。
妊娠中はお腹の子供への影響を考え、歯科治療を受けることに慎重になってしまうことが多いようです。
結論から話すと
✴︎妊娠中でも歯科治療は可能です!
一般的には妊娠中期である安定期(妊娠14週〜27週)に治療をすることが望ましく、通常の歯科治療であれば問題なく行えます。
また妊娠初期、後期であっても対応できることも多いので、心配な時は早めに受診をして下さい。
妊娠初期(1〜4ヶ月)
過度の緊張や長時間にわたる治療は避け、応急処置にとどめます。
妊娠中期(5〜7ヶ月)
ほとんどの方が問題なく治療できます。
妊娠後期(8〜10ヶ月)
母体に負担がかかるため、緊急を要しない限りは応急処置のみを行います。
症状 | 治療できる時期 |
---|---|
むし歯・歯肉炎・歯周病・ 親知らず |
妊娠16週~28週(安定期に入ってから) |
歯のクリーニング | 妊娠初期~28週 |
矯正治療 | 妊娠初期~28週 |
ホワイトニング | ホワイトニングで使用する薬剤の胎児への安全性が不明なため、 やらないほうがよい |
✴︎口内環境が大きく変化する妊娠期間
昔の人の言い伝えで、「妊娠するとおなかの赤ちゃんに歯のカルシウムを奪われるから、歯が悪くなる」「子どもを1人生むと、1本歯が抜ける」などというものがありました。
これらはもちろん事実ではありませんが、妊娠すると口内環境が変化して、むし歯や歯肉炎などのトラブルが起こりやすくなるのは本当です。
まず、妊娠をすると女性ホルモンが増加します。
その影響で歯ぐきが腫れやすくなったり、出血しやすくなったりします。
また、だ液の量や質が変化するので、だ液の量が減少して口の中がネバネバしやすくなります。
だ液の量や質が変化することで、だ液の働きも低下してしまうので、口の中の細菌が増えやすくなります。
口の中もむし歯になりやすい酸性に傾きやすいので注意が必要です。
✴︎レントゲンや麻酔を使用しても大丈夫?
このことは多くの妊婦さんが1番心配していることだと思います。
歯科で使用するレントゲンは、防護エプロンを着用しお腹から離れた所を撮影します。
放射線量も普通に生活して1年間で浴びる自然放射線量と比べて1/150〜1/50となっており、胎児への影響はほとんどありません。
治療をする際に必要があれば麻酔も併用しますが、歯科用麻酔は局所的に効果が出る麻酔で(麻酔をして治療の経験がある方は一部分だけが痺れてる感覚が分かると思います。)
その麻酔が胎盤を超えて胎児にうつることはありません。
✴︎妊娠中の歯科治療の注意点
基本的には安心、安全で治療を受けれますが注意点もあります。
・妊娠している事を医師に伝えましょう。
・母子手帳を持参しましょう。
・体調が悪い時には無理をしないようにしましょう。