よく患者さんがおっしゃることがあります。
「歯が痛くなったら治療すれば良いんですよね?」「虫歯って痛くなるんじゃないんですか?」
正解は
痛くなる前に治すのがベストです。
痛くなってからの治療だと手遅れなことが多いです。
虫歯の進行について
むし歯は、口の中にいる細菌が、私達が食べたり飲んだりする糖分を餌にして作りだした酸によって、歯が溶けた状態のことを言います。むし歯菌はほとんどの人の口の中にいるような細菌ですが、口の中で増やさないようにすること、酸をつくりにくいような生活習慣をすることで、十分予防のできる病気です。
通常は痛みなどの症状はありませんが、進行すると痛みが出るだけでなく、歯の内部の神経にまで影響が及ぶと、耐えがたい痛みの原因になったり、全身に細菌が回ってしまうこともあります。
健康な状態の歯
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CO(虫歯ではないが歯の表面からカルシウム分が溶け始めた面がある状態)
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C1(エナメル質が細菌により溶け始めた状態)
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C2(エナメル質より内側の象牙質にまでむし歯が進行した状態)
↓
C3(象牙質を超えて、歯髄(=歯の神経)にまで虫歯が到達した状態)
↓
C4(虫歯の最終段階で歯の根の部分だけ残っているかいないかの状態)
と変化していきます。
このうち、CO(シーオー)とC1は、痛みが出ることはありません。
C2はどうか?というと、痛みを感じ始めむし歯と気づく方もいらっしゃいますが、これも実は痛みを感じないことも多いです。
稀に、冷たいものがしみる、食べ物が挟まる、デンタルフロスが引っかかる、歯が変色してきた、などといった症状に気づいて歯医者さんに行く人はいますが、その割合はとても低いというのが実情です。
エナメル質より柔らかい象牙質にまで進行してしまうと、ここから先の虫歯の進行は一気に加速します。
C3までいくと?
大きく穴が開き、さすがに何かしら違和感、痛みを感じます。
皆さんが異変に気づくのはこの段階であることがとても多いのです。
痛い・しみる状態がC2くらいだと思いませんでしたか?
でも実際には痛い・しみる状態というのはC3になっていることがほとんどなのです。
皆さんのイメージと実際の虫歯の進み具合との間にギャップがあるのではないでしょうか。
C3という状態になると、歯の神経を取る/根っこの治療(根管治療)
をしなければならなくなるのです。
歯の神経が無くなると、歯の寿命はもともとの約半分以下になってしまいます。
ということは、C3になる前に治療した方が良い、ということなのです。
しかし、中にはなんと痛みを我慢していたら痛みが消えた!治った!
と思い込んでしまう人もごくごく稀にいらっしゃいます。
その方々は、次のC4という状態に到達するまで放置される場合がほとんどですが、そうなると、歯を抜かないといけなくなってしまう事が多くなります。
膿のかたまりが出来たりと、強い口臭の原因であったり、身体には良くなさそうですね…。
実際に米国ではC4多数あるのに放置した人が1人亡くなった、というお話もありました。
★ポイント
歯は痛くなる前に治療するのがベスト!
痛くなってからだと手遅れな場合が多いです。
気になる歯がある、お口のかかりつけの歯医者さんをお探しの方はひだまり歯科までご連絡ください。