思春期のお口について

思春期のお口について

思春期のお口について

2022.07.25

中学、高校生の頃は歯磨きを頑張っていましたか?

食後、必ずピカピカに磨いた!という方は少ないのではと思います。
食生活では間食が多くあり、甘い物を摂取しているのではないでしょうか?
学生の頃は歯磨きやお口の中のことには、なかなか関心が向かないのではと思います。
しかし、歯周病の有無は思春期の生活習慣が重要です。
思春期を迎えると歯周病や虫歯のリスクが高まってしまいます。
今回は思春期のお口の変化や、思春期前に身につけておきたい習慣についてです。

思春期のお口の変化

中学生から高校生にかけての思春期では、自我、独立心がめばえ、親の言うことを素直に聞き入れにくくなる時期です。
歯みがきがおろそかになったり、買い食いや友達づきあいからお菓子や清涼飲料水を摂る機会が増え、夜更かしによる夜食、朝寝坊による朝食抜きが増えたりなど、家庭や学校での生活が変化し、お口の中の環境が悪化する時期でもあります
また歯科医院からも遠ざかり、むし歯に気づかずに重症化するケースも多発します。
むし歯だけでなく、特にこの時期に増えてくるのは、歯周病の初期症状である歯肉炎です。
また第2大臼歯(12歳臼歯)が生えて永久歯が全部生えそろう時期で、歯並びも気になってくる年代です。
乳歯から永久歯への交換が11~12歳頃に終わり、14~15歳で永久歯が完全に生え、完成を迎えることで学童期に比べてお口の中の状態は比較的安定するはずです。
(なぜなら生え変わりの時期は、乳歯が小さかったり永久歯が生える途中で磨きにくいため)
しかし、思春期ではお口の中の問題が多発します
身体、生活環境、心の変化によって、生活の管理がおざなりになることが1つの要因です。

« 思春期のお口の特徴»

①虫歯・酸蝕症(酸蝕症とは歯の表面を溶かし、歯がしみやすくなります)
10歳頃までの学童期には、虫歯は顕著な減少がみられます。しかし、思春期の虫歯は減少傾向にはあるものの、虫歯になる確率は高いのです。
女子はダイエット願望から1食あたりの量を少なくし、その分間食が増える(いわゆる「チョコチョコ食べ」)など、思春期特有の生活習慣に関連して虫歯リスクが高まります。
特に、外出時に酸性飲料をペットボトルで持ち歩いたり、運動時にスポーツ飲料を摂取したりすることにより、酸蝕症も起こりやすくなります。
②歯肉炎(歯周炎)が増える
歯肉に炎症が見られる者の割合は増齢的に増加しています。
歯周病というと成人、特に中高年の病気と思われがちですが、実は小学生から中学生にかけて、歯肉に限局した炎症である「歯肉炎」が発症し始めているのです。
思春期になると、歯石がついたり、深い歯周ポケット(4~6mm)を有する者も増え、歯周炎の増加がみられます。
歯肉の炎症が見られる割合として、15~19歳で69.1%、10~14歳で45.3%、5~9歳で35.5%です。
③咬み合わせの問題・顎関節症が増える
上の前歯が少しだけ下の前歯より出ていて、上下方向にも少し重なっている状態が正常な歯並びです。
乳歯から永久歯への交換により歯並び、咬み合わせの問題が生じやすくなります。
遺伝的要因に加えて顎骨と歯の大きさの不調和による歯並びが悪くなりやすいです。
悪い歯並びとしては、上の歯が過度に前に出ている上顎前突(出っ歯)、下の歯が前に出ている下顎前突(反対咬合、受け口)、歯がでこぼこに並んでいる叢生(そうせい)(乱ぐい歯)、前歯がかみ合わなくて空いている開咬(かいこう)などがあります。
顎関節症の症状(痛みや雑音など)を訴える者が徐々に増加します。
これには7番目の歯や親知らずが生えることによる歯並び・咬み合わせの変化や態癖(頬杖、睡眠態癖、片側噛み)などの生活習慣、精神的ストレスなどの関与が考えられます。
歯周病、虫歯を予防するには、まず現状の確認が必要です。
また、学童時から思春期にかけての顎の成長期に、頬杖をつく癖があったり、偏ったかみ方をする癖があったり、同じ方向にうつ伏せ寝する習慣があったりすると、顔面が左右非対称になることもあるので注意が必要です。
歯並びが悪いと、単に見た目の問題だけではなく、うまく食べ物がかみきれずバランスのよい栄養が摂れなくなる、発音に影響が出る、歯みがきがしにくいためむし歯や歯周病になりやすい、などの弊害が出ます。

« 身につけておきたい習慣と定着チェックポイント»

①自分でお口の管理ができているか
□自主的に歯磨きを行っているか
□子どもが自分で選ぶ間食や飲料が甘味物・甘味料に偏っていないか
など
②正しい歯磨きの習慣
□食後(少なくとも朝食後と夕食後、または就寝前)に確実に歯磨きをしているか
□きちんと時間をかけて磨いているか、磨き残しがないか
□歯ブラシだけでなくデンタルフロスも使っているか
□自分の歯並びの状態に合った歯磨き方法を獲得しているか
など
③正しい食習慣
□朝食をきちんと食べているか
□夕食が不規則でないか。間食や夜食が多くなっていないか
□間食や飲料が糖分の多いものに偏っていないか
□ジュースやスポーツ飲料を水代わりに飲んでいないか
など
また、お口の中の休み時間がとれていますか?
お口の中はもともと中性(pH7)に保たれています。
糖分を含んだ食べ物を食べると、お口の中は酸性になります。
お口の中に物が入った状態が続くと、歯の表面が酸で溶けてしまいます。
しかし、唾液が酸を解消してくれて、溶け始めた歯を元通りにしてくれます!

ぜひお子さんと一緒に生活習慣を見直してみてください!
また、きちんと磨けているか不安な方は赤染め(細菌の検査)をお勧めします。
どのくらい磨けているか、どうやって汚れを落とすかが分かりやすいです!
また、虫歯、歯周病になるのは歯磨きだけでなく、生活習慣も重要です。
ご自身でお口の中を見て、虫歯や歯周病になっているか分からないこともあります。
定期検診により早期発見でき、歯を守ることに繋がります!


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