歯周ポケットって?

歯周ポケットって?

歯周ポケットって?

2022.08.25

歯周ポケットとは、歯と歯茎の境目の溝のことを言います。
歯科ではプローブと呼ばれる器具を用いて、ポケットの深さを測定します。


先端にメモリの付いた歯周プローブを使います。

数値が高いほど歯周病が進行していることを表します。

歯茎のポケットに入れているので、歯茎を刺している訳ではありません。

歯と歯肉の隙間は、歯周病のない健康な歯肉では1〜2mm程度ですが、歯周病に罹った歯肉では3mmを超えるような深さになり、重症の患者さんでは10mmを超えるほどプローブが入っていくこともあります。
一見健康そうに見える歯肉でも、検査をしてみるとポケットは深い場合もよくあるのです。

歯周ポケット進行度の目安

・健康な状態:1〜2mm
・歯肉炎:2〜3mm
・軽度の歯周病(軽度歯周炎):3〜4mm
・中度の歯周病(中度歯周炎):4〜6mm
・重度の歯周病(重度歯周炎):6mm以上

 

また、歯周ポケット検査では、歯茎の出血の有無も確認します。
歯周病の進行度合いを把握する上で、「炎症が起きているか(出血の有無)」は重要なポイントとなるのです。
歯周ポケットの深さと炎症(出血)の有無、この2つの結果を合わせて初めて、歯周病を正しく診断できます。

 

歯茎をチクチク触られて、2、3、3…などの数字を読み上げてる時には、一緒に数字を聞いてみましょう。

 

歯周病で歯周ポケットが深くなるメカニズムとは?

そもそも、どうして歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなるのでしょうか。
私たちの口腔内の細菌には、空気が好きな「好気性菌(こうきせいきん)」と、空気が嫌いな「嫌気性菌(けんきせいきん)」がいます。
歯周病と関連があるとされる細菌は、後者である嫌気性菌です。
歯周病菌は空気が届きにくい歯周ポケットのすき間に居場所を求めて、そこから奥へ奥へと入り込んで勢いを増して、歯周ポケットを深くしていくのです。

 

年をとると歯周ポケットが深くなる?

歯周ポケットが深くなってくるのを「年齢のせい」だと考える人がいますが、それは違います。
加齢によって歯周ポケットが深くなるのではなく、あくまでも歯周病の進行によって歯周ポケットが深くなるのです。
もちろん、年齢を重ねると免疫力が低下してくるため、若い頃よりも歯周病にかかりやすくなります。
しかし、10代・20代などの若い方でも、ブラッシングがきちんとできていなければ歯周病にかかり、歯周ポケットも深くなります。
一般的に、30代・40代になると歯周病患者が増えるため、30代に差しかかったら異常がなくても一度、歯科検診を受けてみるのがいいといえます。

 

歯茎のトラブルはまず歯周病を疑いましょう

歯茎の出血や腫れに気付いても、「最近、疲れているからだろう」「ストレスのせいかな」などと考えて、やり過ごしている人は多いと思います。
たしかに、疲労やストレスなどの影響で歯茎に炎症が起きるケースもありますが、可能性として真っ先に疑うべきは歯周病です。
歯周病は初期の段階であれば、適切なブラッシングで治すことができますが、適切なブラッシングができている人は多くはありません。
少しでも歯茎に異常を感じたら、歯科医院で診察を受けるとともに、プロによるブラッシング指導で正しい磨き方を身に付けるようにしましょう。

歯肉炎の状態であれば、正しいブラッシングによって歯周ポケットは元のように回復するが、歯周病が進行していると、ブラッシングだけで改善させることはできず、歯科医院での専門処置が必要になります。
こんなトラブルを防いだり、早く気づくためにも、定期検診はご自身のお口から身体を守るために必要なことです。
面倒に思うかもしれませんが、頑張って行っておいて損はないと思います。


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