〜バイオフィルム&PMTC〜
突然ですが「バイオフィルム」をご存知ですか?
ちょっと聞き慣れない言葉ですが「バイオフィルム」は細菌のかたまりであるプラークの強固な集合体です。
流しの排水溝のヌルヌルもバイオフィルムです。
実は、お口の中でも細菌のかたまりであるバイオフィルムが形成されています。
バイオフィルムは細菌のそれ自体がフィルム状のバリアーで覆われているので、外部から保護されて細菌にとって住み易い環境となります。
その上、歯面や歯と歯肉の間の歯周ポケット以外にも舌の表面(口臭となる舌苔)や入れ歯(義歯)にも付着します。
そして、虫歯や歯周病はバイオフィルム感染症です。
バイオフィルムは歯ブラシが届かない部位に付着します。
歯面にあるとエナメル質を溶かし虫歯を発生させます。
歯周ポケット内では歯肉の炎症を拡大させ、歯を支えている骨まで破壊されて歯を失うことになります。
平坦な面のバイオフィルムは歯ブラシで丁寧に磨けば除去できますが、歯周ポケット内は歯ブラシが届かずバイオフィルムはますます成長していきます。
バイオフィルムは薬が効きません。
バイオフィルムが厄介なのはバリアーで覆われているので抗菌剤や消毒剤などの薬が浸透しにくく効かないことです。
今のところ歯ブラシなどで物理的に除去する以外に方法はないのですが、歯ブラシの届きにくい部分には歯科での専門家による対応がどうしても必要です。
歯ブラシがきちんと当たる場所はバイオフィルムが出来る前にとれてしまいますが、次のような人はできやすい条件があるので注意が必要です。
☆ブラッシングが上手く出来ない人
☆歯並びが悪く角度的に歯ブラシがうまく当たらない人
☆歯周ポケットが深い人
☆矯正治療中の人
☆修復物の多い人
などです。
しつこいバイオフィルムにPMTC!
PMTCは効果的なプロケアのひとつです。
PMTCは口の中の健康をサポートする手段です。患者の皆様のお口の中の状態や症状によって、専門家(歯医者・歯科衛生士)の判断の元に行われます。
定期検診で皆様の健康をサポートして行うのはもちろんの事、治療中でバイオフィルムが上手く取れない場合でもお口の状態によってPMTCを行います。
PMTCの一般的ステップ
お口の中の状態チェック
ブラッシングの状態、バイオフィルムの付着をチェックします。
きれいにブラッシングしているつもりでもバイオフィルムは付着しているのです。
歯石除去
歯の表面や歯肉の中(歯根の表面)などに付着している歯石を除去します。