歯の神経を取った後の痛みについての真実
2023.11.05
歯の神経を取った後でも痛むことはあるのでしょうか？この疑問は、歯科治療を受けたことがある多くの人が持つものです。今日は、この疑問に焦点を当てて、神経を取った後の歯が痛む原因とその対処法について詳しく解説していきます。
神経を取る治療とは？
まず、歯の神経を取る治療は「根管治療」と呼ばれ、虫歯が進行して歯髄（ししゅ）に到達し、炎症や感染が起きた場合に行われます。この治療では、感染した歯髄を除去し、根管を清掃・消毒した後、根管充填材で密封します。これにより、痛みを引き起こす原因となる細菌の感染源を除去し、歯を保存することができるのです。
神経を取った後に痛む原因
1. 治療後の一時的な炎症
神経を取った後、根管内の細菌が完全に除去されていなかったり、治療中に使用される器具が根尖部を超えてしまったりすると、周囲の骨組織が反応し、炎症が起こることがあります。この炎症は一時的なもので、通常は数日から数週間で落ち着きます。
2. 根管治療の不完全
根管治療が不完全だった場合、根管内に残った細菌が原因で再度感染を起こし、痛みや腫れが発生することがあります。根管の形状が複雑であったり、器具が届かない細い部分があったりすると、治療が難しくなります。
3. 割れた歯や隠れた根管
治療を受けた歯が微細に割れている場合や、診断時に見落とされた隠れた根管がある場合、そこから感染が持続して痛みを引き起こす可能性があります。
4. 根尖性歯周炎
根尖部に炎症が持続し、根尖性歯周炎を引き起こすことがあります。これは根管治療後に発生する可能性がある症状で、慢性化すると長期にわたって不快感を感じる原因になります。
5. 歯の噛み合わせ
治療後の歯の噛み合わせが高い場合、圧力が集中し、痛みが生じることがあります。これは比較的簡単に調整することが可能です。
痛みへの対処法
1. 痛みの管理
治療後の痛みは通常、市販の鎮痛剤で管理できます。しかし、痛みが長引く場合は、再度歯科医に相談する必要があります。
2. 再治療
不完全な根管治療や割れた歯、隠れた根管が原因の場合、根管治療の再治療が必要になることがあります。
3. 歯の噛み合わせの調整
噛み合わせが原因の場合、歯科医による噛み合わせの調整が行われます。
4. 根尖切除術
根尖性歯周炎が慢性化している場合や、根管治療だけでは解決できない場合、根尖切除術という外科的処置が検討されることがあります。
5. 抜歯と歯の再建
最終的に他の治療法で改善が見られない場合、抜歯となることもあります。その後、インプラントやブリッジ、部分入れ歯によって歯を再建することができます。
まとめ
神経を取った後に痛む原因は多岐にわたりますが、多くの場合、適切な診断と治療によって痛みは軽減または解消されます。痛みがある場合は、早めに歯科医の診察を受け、原因を特定してもらいましょう。そして、根管治療は高度な技術を要するため、経験豊富な歯科医を選ぶことが重要です。自分の歯をできるだけ長く健康に保つためにも、歯科医との良好なコミュニケーションを心がけてください。
