入れ歯になってから食事が美味しくない…そんなお声を聞くことがあります

入れ歯になってから食事が美味しくない…そんなお声を聞くことがあります

入れ歯になってから食事が美味しくない…そんなお声を聞くことがあります

2022.05.27

「入れ歯にしたら食べ物の味がしなくなった」
「こんなに美味しくなくなると思わなかった」
…そんなお声を患者さんから聞きました。

おいしい食事は人を幸せにします。
「おいしい」と感じることで、脳から幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質が分泌されて心身を健やかに整えます。
だからこそ高齢になれば自分の歯で噛んで食べられるだけでも、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質に満足できること)を高く維持できるといわれているのです。
歯は一生もの、永久歯が生え変わったり復活することは今のところないのです。
だからこそ自分の歯を大切にしてほしい…そんな思いで毎日患者さんと向き合っています。
ただし、「自分は入れ歯だから、おいしく食べられなくても仕方がない」と諦めないでください。
入れ歯になっても、おいしくものを食べられる方法あります。

食べ物の温度を感じられることがポイント

なぜ入れ歯は美味しく感じられなくなるのでしょうか?
入れ歯というのは、その大半がレジンというプラスチックで作られています。
保険適用の一般的な入れ歯は、安価かつ修理のしやすさから、この材質になります。
プラスチックは、熱を遮断しやすい材料であることから、食べ物の熱さや冷たさを遮ります。
その結果、ご飯が美味しくなくなることも珍しくないのです。
ほかほかと温かいごはんやお味噌汁、冷たいビールやアイスクリーム…
温かいものは温かいうちに、冷たいものを冷たいうちにいただくことが、おいしさを満喫するポイントです。
入れ歯をつける事で、温度を感じにくくなることが多いといえます。
特に、お口の粘膜に当たる土台の部分が分厚くて熱を通さない素材を使った入れ歯の場合、食べ物の味を感じにくくなります。
また、厚みがある為違和感が強く、食物の食感がわかりにくかったりするのも美味しくないことに影響しているかもしれません。

入れ歯でも美味しく食べる方法とは?

入れ歯には、食べ物や飲み物の冷たさ・温かさを感じることができる金属の歯科材料を使ったものや、負担や違和感が少ない薄い素材のものもあります。
また部分入れ歯などは留め具に金属を使っている為、入れ歯が目立ちやすいのが気になるという方もいらっしゃいます。
入れ歯を作るときは、「食事をおいしく食べたい」「目立たない入れ歯にしてほしい」など、ご希望を歯科医師にしっかりと伝えて、相談しながら作るとよいでしょう。
保険適用内でと費用面だけで決めてしまうと、後から使い勝手が合わず、作り直しをしなければならないことも多くなるため、かえって余計な費用がかかってしまいます。
もちろん保険適用の入れ歯でも快適に過ごしていただける様に最善はつくしますが、噛めれば良いだけでない選択肢というのに目を向けてみるのも健康を考えると良いのではないでしょうか?

 


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