虫歯の原因について

虫歯の原因について

虫歯の原因について

2022.06.30

虫歯の原因について

歯磨きしていても虫歯になりやすい人とそうでない人がいます。理由は色々考えられます。

磨いているつもりでもきちんと磨けていないということもあるでしょう。きちんと磨けていると仮定した上で何故そのような差が出るのでしょう。

まず考えられる原因は、食生活、口腔内菌叢、唾液の量や性状、歯の質の悪さなどが考えられます。


食生活

甘いものをダラダラ食べるというのは虫歯菌の好む環境です。甘いもの(ショ糖)は、虫歯菌の餌になり歯を溶かす酸を産生し虫歯をつくります。

口腔内菌叢

お口の中には健康な状態でも200種類以上の細菌が、数十億という単位で生息しています。その中でも善玉菌と悪玉菌の割合が問題になります。悪玉菌が比率として多ければ当然虫歯や歯周病にかかりやすくなります。細菌の中には虫歯菌や歯周病に悪い影響を及ぼす菌以外にも善玉菌と呼ばれる細菌が存在し口腔内のバランスを保っています。お口の中の細菌叢は一人一人異なり、悪玉菌の比率も個人個人で異なります。虫歯菌の代表ミュータンスレンサ球菌は赤ちゃんのうちは口腔内に存在しません。歯が萌出して離乳食が始まると周囲の大人である父母などが使用した箸やスプーンを介し感染するのです。この時期に感染する機会がなければ、それ以後は感染する可能性はかなり低くなりその後の予防が楽になります。口腔内細菌叢は、最初に善玉菌がたくさん定着すると悪玉菌が定着しずらくなります。また逆もあります。完成された細菌叢のバランスは容易に崩れることはありません。後からミュータンスレンサ球菌が進入してきたとしても定着することは少ないのです。口腔内細菌叢を獲得する時期は生後1歳7か月から2歳7か月です。お口の中の悪玉菌であるミュータンスレンサ球菌の割合はこの時期に決定されます。この生後1歳7か月から2歳7か月までの間に悪玉菌の感染を防ぐことができれば、お子様を虫歯の危険からかなりの確率で守れるということになります。妊産婦のお母さんはお口の中を清潔に保ち、お母さん自身の口腔内細菌叢の改善をしておくことが大変重要なのです。

唾液の量や性状

唾液の分泌量が少なければ自浄性が低下し、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。また、唾液には食後、酸性に傾いたお口の中のPHを中性に戻す力(唾液緩衝能)があります。緩衝能が高いほど歯が菌の出す酸によって溶かされる時間が短くてすみ、再石灰化しやすくなるため虫歯になりにくくなります。

歯の質

歯は、エナメル質、象牙質、セメント質などの成分で出来ているのですが、通常目に見えているエナメル質はもともと非常に硬い物質なのですが、歯の形成段階での石灰化が不十分で、エナメル質や象牙質の無機質が不足していることがあり、このような場合、虫歯になりやすい歯の質だと言えます。

 

歯列不正などの構造上の不備

歯列不正により、歯を磨いても、食べたものが残りやすく、虫歯菌の生きていくための快適な環境を作ってしまい、歯周病を引き起こす歯石も付着しやすくなります。
歯石があれば、いくら歯を磨いても同じことです。なぜなら億単位の細菌が歯石には含まれていて、お口の中の環境は、いつまでたっても改善しないからです。
唾液は、食べる時は消化液として、それ以外の時は、優れた洗口液の役割があり、しかも細菌のみならずウィルスに対しても殺菌し、いつもお口の中を一定の環境に整える働きがあります。この唾液の分泌が悪かったり、口呼吸だとお口の中はいくら磨いても、すぐにバイ菌だらけになります。
お口の中が酸性に傾くと、虫歯菌は活発に働きますし、歯の構成成分であるカルシウムなどがどんどん失われます。

虫歯菌の餌について

お口の中に虫歯菌はいつもいるのですが、増やさないようにすることが大切です。
虫歯菌の餌はショ糖です(砂糖)。これを良く取る人や、ダラダラと食べる人は、虫歯菌をお口の中で養殖しているようなものです。
さらには唾液が少ないと、たとえわずかしか砂糖を取らないとしても、濃縮されます。唾液には、希釈作用もあるからです。

歯や口について

虫歯菌のターゲットは歯です。歯自体が弱ければ、虫歯菌の攻撃に弱いです。
これは、少しの遺伝的な要因もあるかもしれません。
でも多くは、後天的な問題です。歯並びが悪いと歯がいくら丈夫でも虫歯菌は付着しやすいです。
甘いものやすっぱいものは、歯が弱くなります。磨きすぎによって、歯を削っていればエナメル質が剥げてしまって虫歯菌に対して弱くなります。
また、唾液には免疫物質が含まれています。体全体の健康を損ねると(不規則な生活や生活習慣病など)お口の中の唾液による防衛力(免疫力)もダウンして虫歯の攻撃に弱くなります。

虫歯菌の歯への定着を阻止できていますか?

虫歯菌は歯に定着しない限り、虫歯になりません。この作業が歯磨き、あるいは唾液の役割になります。
本来は、唾液が十分あり、食生活に気をつけていれば、歯を磨かなくても虫歯にはなりません。その補助手段として歯磨きを行いますが、その方法が効率の悪いものであると、いくら歯を磨いても無駄ということになります。
また、小さな虫歯がある状態でいくら歯を磨いても、虫歯は治りません。広がっていきます。

歯を磨くことも重要ですが、普段の食生活を見直してみましょう。

虫歯や歯周病など多くのお口の病気はご自身の細菌による感染ということを理解しておきましょう。感染は必ず防ぐことができます。

早期発見、早期治療により費用が安く治療も早く終わります。定期的なメンテナンスでお口の健康を守りましょう。


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