口臭の種類と原因、予防について

口臭の種類と原因、予防について

口臭の種類と原因、予防について

2022.09.24

口臭の種類と原因、予防について

口臭の種類

・生理的口臭

起床直後(起床時口臭)、空腹時(飢餓口臭)、緊張時(緊張時口臭)は特に口臭は強まります。
これは唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因となる物質「揮発性硫黄化合物
(VSC)(VSCとは、口臭のことであり、舌苔や歯周病菌がVSC生成の原因となります。
歯みがきで細菌や
VSCが減少し、食事や水分を補給することで唾液量が増加すれば口臭は弱まります。
生活習慣の改善で良くなる為、治療の必要はありません。
また女性の生理・妊娠時などホルモンバランス変化に伴う口臭、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、老齢期、それぞれの年代固有の臭気(加齢臭)、民族的な口臭もあります。

・飲食物・嗜好品による口臭

ニンニク、ネギ、酒、タバコ等による口臭は一時的なもので、時間の経過とともに臭いも無くなりますので治療の必要はありません。

・病的口臭

鼻や喉の病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合もありますが、病的口臭の90%以上は口の中にその原因があり、歯周病、むし歯(う蝕)、歯垢(しこう)「歯の周りに付く細菌の固まり」、歯石、舌苔(ぜったい)「舌の表面に付くコケ状の細菌の固まり」、唾液の減少、義歯(入れ歯)の清掃不良などがあげられます。

病気の原因を治療することで口臭を減らしたり、治すことができます。

・ストレスによる口臭

ストレスにより唾液の量が少なくなると口の中が臭くなります。

・心理的口臭

自分自身で強い臭いがあると思い込む人がいます。

口臭の原因

・歯周病

歯周病の原因は、プラーク(歯垢)の中に含まれている細菌です。
歯周病菌の多くが
VSCを作ります。初期においては痛みもなく自覚できません。
ほっておくと静かに進行する病気です。

一見何でもないようでも、歯をみがくなど、ちょっとした刺激で容易に出血することがよくあります。
病気が進行すると歯ぐきからの出血に膿が混じってくるようになり、口臭もひどくなってきます。

・虫歯

虫歯は独特の臭いを持っています。

食べカスや虫歯菌が、虫歯の穴の中にたまり臭いがきつくなり、口臭の原因になります。

小さな虫歯で口臭が強くなることはありませんが虫歯が進行してくると次第に口臭がきつくなってきます。
神経まで侵され神経が腐ると、強烈な臭いがします。

・歯垢(プラーク)

歯の表面に付着する柔らかい堆積物でほとんどが細菌のかたまりです。
食べ物の残りカスを栄養とする微生物とその代謝産物からなり、長期間たつと歯石を作っていきます。
虫歯や歯周病の原因になります。

・歯石

歯垢が作った硬く固まった石灰分です。
歯石がたくさん付くようになると口臭もひどくなってきます。
また歯石が付くことにより歯周病を進行させます。

・舌苔(ぜったい)

舌苔とは、舌の上にある白いコケ状の付着物を言います。
口臭の原因となるガス(
VSC)を作り出すため、舌苔が多く付着していると口臭が強くなります。

舌苔ができる原因はさまざまであり、ストレス、口呼吸、唾液の分泌量減少などと言われています。
舌の汚れを除去する専用のブラシ(舌ブラシ)などを使って、舌苔を除去することで、それに伴う口臭を予防・改善することができます。

・唾液の減少

唾液は口臭予防に大切なものです。口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、口の中の粘膜を保護する作用などがあります。
唾液の分泌が少なくなると口の中が不潔に虫歯や歯槽膿漏になったり、口の中が乾燥して口臭が強くなったりしやすくなります。

・プラスチックの人工歯

義歯(入れ歯)のプラスチック部分は色やにおいを吸着しますので、毎日きれいに清掃し、消毒剤に浸しておくことをお勧めします。
一度吸着した色や臭いはなかなか取れません。

・不良な冠、冠せた金属の腐食

歯に冠せた金冠が古くなって穴が開いたり、すき間ができたりすると汚れがたまりやすくなり、口腔内が不潔になります。
痛みがない為に悪くなっていても気がつきません。
意外と口臭の原因になっている場合が多いです。

・口腔癌

口の中の癌(舌癌、頬粘膜(きょうねんまく)癌など)により口臭が発生することがあります。

・鼻や喉の病気

鼻は口とつながっている為、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。

・その他呼吸器系の病気、消化器系の病気

全身症状が原因となって口臭が発生することがあります。
原因となる病気を診断して治療することで口臭は軽減されます。

口臭の予防について

まずは、日頃から正しい歯磨きやうがいなどを習慣化することで一般的な口臭は防ぐことができます。
歯並びの悪いところや歯の隙間は毛先が届きにくく歯垢(プラーク)が残りやすいので「デンタルフロス」を併用することで歯垢(プラーク)除去率をアップさせ、効率よく落とすことができます。

また、臭いの原因の一つと言われる舌にこびり付いてしまった舌苔はブラシで丁寧に直接清掃しましょう。
舌は非常にデリケートな組織なので清掃する時は、力を入れすぎないこと。
1日1回で十分です。

そして、規則正しい食生活習慣の確立と、咀嚼機能を高める食事内容にしていくことも必要となります。

ご自身での毎日のケアも大切ですが、歯科医院での定期的な歯のお掃除もとても重要です。


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