歯がない方の口腔内清掃のやり方①

歯がない方の口腔内清掃のやり方①

歯がない方の口腔内清掃のやり方①

2022.11.11

☆歯がない方の口腔内清掃のやり方☆

無歯顎(歯がない方)の口腔内清掃のやり方について

歯がないから磨く必要がない。入れ歯をしっかりと掃除してるから大丈夫。と思ってる方が多いと思います。
歯がなくてもお口の中のケアはとても重要です。

入れ歯と接している歯茎や上あごには、入れ歯と歯茎の隙間に侵入した食物残渣(食べ残り)や細菌が付着しています。
粘膜の清掃を怠り不潔なままにしておくと、汚れの中で細菌が繁殖し気管を通って細菌が肺へと侵入し、肺炎を引き起こすという恐れがあります。

誤嚥性肺炎の原因となることも

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)という言葉を聞いた事はありますか?
日本人に多い死因として、がん、心筋梗塞、脳卒中に次いで、肺炎・気管支炎が挙げられます。

お口の中は入れ歯を入れていても、入れ歯と歯茎の間に食べ物(食渣)が挟まったり、歯茎と頬の間に食渣が挟まったります。その汚れをそのままにしておくと細菌が繁殖します。
その汚れを飲み込むことで誤嚥性肺炎の原因になることもありますので注意が必要です。
高齢者の肺炎は、口の中の細菌などが誤って肺に入って発症する「誤嚥性肺炎」の割合が高いと言われています。
誤嚥性肺炎は、食べ物が誤って気道に入ってしまったり、唾液を飲み込む際に口腔内の細菌が誤って肺に入ってしまったりして起こるものです。
また、高齢者は睡眠中などの知らない間に、唾液を誤嚥していることがあります。
その際に口の中の細菌が軌道の中に入り込んでしまったことで、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。

口腔内を刺激しないと唾液減少の原因にも

唾液が減少すると粘膜の免疫力が低下します。
口腔内を歯ブラシなどで刺激することで唾液の出を促進させます。
唾液には殺菌作用や自浄作用などの様々な働きがあります。
また、唾液の出が悪く口腔内が乾燥していると食事のときにものが詰まりやすく、細菌が増える原因となります。
唾液には、体内に侵入しようとするウイルスや細菌の活動を抑制する抗菌作用によって身を守る「免疫システム」があります。
歯茎が歯ブラシによる刺激を受けないでいると、唾液の分泌量が低下し、粘膜の免疫力が低下してしまうのです。
人間が持つ優れたこのシステムも、お口の中が不潔のままでは機能してくれないのです。

歯茎がだんだん退縮してくる

歯茎にブラッシングなどで刺激がないと歯茎がだんだん退縮してきます。
歯茎に歯が無くなり、入れ歯が乗っているだけの状態では刺激が伝わらない為、歯茎の退縮が起こりはじめます。
歯茎の盛り上がり(顎堤)が少なくなると、入れ歯を安定させる吸着力が働きにくく、作成した入れ歯と形も合わなくなり、安定しづらくなってしまいます。
そのため、ブラッシングだけではなく、指で歯茎をマッサージしてあげることも良いかと思います。

舌の汚れも清掃するようにしましょう

口腔内の汚れは舌にも付着します。舌につく汚れを舌苔といいます。
舌の汚れもまた、誤嚥性肺炎の原因にもなりますし、口臭の原因にもなりますので、口腔ケアの際は舌も磨くようにしましょう。
専用の舌ブラシなども最近よくみかけますよね。

次回は口腔ケアの方法についてです。

 


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