こどもの口腔内②

こどもの口腔内②

こどもの口腔内②

2022.11.08

子供が虫歯になりやすい場所ってあるの?

1歳~2歳

上の前歯がなりやすいです。

この時期はかじりとりで食べる時期ですので、上の前歯の裏側に食べ物が溜まりやすくなります。
では、かじりとりを止めさせれば良いのかと言えば、それは絶対に止めてください。
手づかみで食べ物をつかんでかじり食べる動きで、食べることを勉強している最中で、食育の観点から大切だからです。
そのため、この時期は上の前歯の裏側は、お母様とお父様が歯磨きをして汚れをかき出してあげてください

また、飲み物の種類にも注意してください。
哺乳瓶で飲ませている場合は、1歳頃からコップで飲む練習をしても良いと思います。
最初の頃は持つのも飲むのも不安定なため、汚れても良い状況で飲ませてあげましょう。
飲料の種類は水かお茶にしてください。
スポーツドリンクや透明な飲料などは避けてください。
甘い飲料・乳酸飲料・野菜ジュースなどは糖類がふんだんに入っています。
これは虫歯のリスクを高めることになります。

一番最初が肝心です。
一度、本人が美味しいと判断すると欲しがるものです。
泣くとそれを出してくれると判断した場合は、泣けば美味しいものが出てくると理解してしまいますよね…。

2歳~3歳

奥歯の咬む面がなりやすいです。

ご飯や食べ物を奥歯で咬んで食べる時期になります。
そのため、食べ物のかすが子供の歯の奥歯に溜まりやすくなり、そこに虫歯の細菌も溜まるため虫歯となるのです。

特に注意なのは上の奥歯です。
お母様とお父様もお口を見る際に、上の奥歯は見えにくいため注意が必要です。

4歳~5歳

奥歯の間がなりやすいです。

子供の奥歯のさらに奥から第一大臼歯(お父様・お母様で言えば奥から2番目の歯)が生えるために動き始めます。
その動きにより子供の奥歯は押されて、隙間があった子供の歯の間が詰まります。
そこに汚れや細菌の塊があると虫歯になります。
子供の歯の間は大人の歯と違い面で接触します。
そのため歯の間の虫歯になると面で広がりますので、あっという間に虫歯になるのです

この歯の間の虫歯は、歯科医師でも判断が難しく、咬む面からは見えません。
フロスや歯の色を見て一次判断をします。
あやしいと思ったらレントゲンを撮影して確認します。
この歯の間の虫歯はレントゲンでないと精査はできません。
現在の歯科医院にあるレントゲンはデジタルレントゲンが主流となっており、被曝量は日光浴程度となっていますのでご安心くださいね。

虫歯の数は減っていると言われていますが、5歳以降の虫歯の罹患率は5割を超えているのが現状です。
3歳までの虫歯の数は減っていますが、5歳から増える理由はいろいろあると思いますが、その一つがお菓子交換などの子供同士のコミュニケーションです。
そのためご自宅には砂糖菓子をおかず、外出時のみに限定して与えると間食の量と種類が制限できるのではないでしょうか?

6歳~9歳

第一大臼歯(大人の歯でお父様・お母様の奥から2番目)の歯がなりやすいです。

第一大臼歯(大人の歯でお父様・お母様の奥から2番目)の歯が出てきます。
大人の歯は子供の歯に比べて虫歯になりにくいと言いましたが、出たての大人の歯は非常になりやすい時期となります。
理由は大人の歯はある日突然、咬む面に存在するのではなくゆっくりと咬む面まで出てくるのです。
そのため、出てきた当初は段差があり歯ブラシが届きづらく磨き残しが多くなりやすいです。

仕上げ磨きの卒業は小学生の高学年位まででおこなってください。
高学年となると、子供の精神発達上、二次反抗期となるため仕上げ磨きは困難になると思います。
しかし、小学校低学年・中学年までは、本人の手先の技術では、まだ磨く技術がないため虫歯にしてしましやすい状態になります。
そのため、仕上げ磨きは継続していただけると良いと思います

また、生えたての大人の歯は、1本磨き、もしくが先が尖った歯ブラシ(ワンタフトブラシ)で磨くと汚れが落ちます。

9歳~12歳

子供の歯の一番奥と第一大臼歯の歯の間がなりやすいです。

これは、子供の歯の奥歯との間に虫歯になりやすい現象と同じで、今度は第二大臼歯(お父様・お母様の一番奥の歯)が出るために動き始めているため隙間が詰まり汚れが溜まりやすくなることが原因となります。

次回は、小児歯科で気をつけることについてです。


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