子どもの早食い・遅食い

子どもの早食い・遅食い

子どもの早食い・遅食い

2022.11.25

早食いする子どもの中には、よく噛めないので、少し噛んでは丸呑みするような食べ方が気付かないうちに習慣になってしまっていることがあります。

食べる速さは、子どもにどんな影響がある?

食べるのが速い子は、よく噛まずにまる飲みしてしまうことで胃腸に負担がかかり、消化不良や腹痛を起こしやすくなります。
また、早食いは肥満になりやすいこともわかっています。

食べるのが遅い子は、小食になりがちで、それが習慣化すると、活動するためのエネルギーや成長に必要な栄養が不足してしまいます。
家ではゆっくり食べられても、時間の決まっている幼稚園や学校の給食ではそうはいきません。
集団生活の場合、時間内に食べ終えることができず、後の予定が遅れるなど、周囲に影響が出てしまう場合もあります。

◎肥満になりやすい

食べ始めてから脳が満腹感を得るまでには20分程かかります。
食事のスピードが早いと本人の満腹中枢が反応しにくくなります。
ということは、自動的に人よりも摂取するときのブレーキがかかりにくくなってしまうのです。
小児肥満の子どもはその約70%が成人肥満に移行すると考えられ、早い時期から高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を引き起こす可能性が高くなります!!
また、一気に食べると急激な血糖値の上昇の原因となり、インスリンを出す膵臓に負担をかけるのでよいことなしです。
将来のためにも避けたいことですよね。

 

◎歯やあごに影響がある

しっかり噛むということはあごの発育に欠かせません。
よく噛まないでいると、歯やあごの骨に悪影響が及ぶ恐れがあります。

噛むことであごの骨は強くなり、周りの筋肉も強くするのです。
また、噛むことで唾液の分泌を促し、 唾液が口の中を潤すことで、虫歯や歯周病の発生も抑制されるのです。
笑っているのに笑顔が薄い子はいませんか? もしかしたら、口の周りの筋肉が弱いのかもしれません。

食べるのが「速い・遅い」の原因

食べるのが速い子は、ひと口の量が多い、食材をよく噛まずに食べているなどが原因のひとつです。
よく噛まずに飲み込んでしまうと無意識に食べるスピードは速くなります。
また、1人で食事をすることが多い子どもも、会話をせず黙々と食べることになるため早食いになりがちです。
意外と多い要因としては、家族も早食いのパターンです。
一緒に食餌をしている子どもも合わせたように早食いになっていきます。
まずは、親が早食いをやめなければ、子どもに注意もできませんね…。

食べるのが遅い子は、食事の時間にお腹が空いていない、ひと口の量が少ない、遊びなど他のことに興味が向いてしまっている、そもそも食に興味がないなどの原因が考えられますが、性格のマイペースさや、唾液の量が少ないなど元々の体質が関係することもあります。

他にも原因はあると思いますが、当てはまる子どもは要注意です!!

どのようにすれば改善できる?

食べるのが速い子には「よく噛む」ことを意識させましょう。
食材は大きめに切り、やわらかくし過ぎず歯ごたえを残せば、自然と噛む回数が増えます。
目安はひと口30回です。
ひと口の量が多い子は、小さめのスプーンやフォークを使うのがおすすめです。
そして、噛んでいる間は箸やスプーン、フォークなどを置くようにするのもいいでしょう。
家族と楽しく会話しながら食べるのも、早食いの改善に繋がる可能性もあります。

食べるのが遅い子は、まず食事に集中できる環境を整えましょう。
テレビやおもちゃなど気が散る原因を取り除き、食事の時間に空腹になるよう生活リズムを見直すことも大切です。
食事量は多くし過ぎず、30分位で食べきれる量を。
「全部食べられた!」という達成感の積み重ねで、食に対する興味や意欲をUPさせましょう。

子どもの年齢によってできることと難しいことがあると思います。
まずは「食べ物の形がなくなるまでしっかりよく噛んでね!」と伝えてあげるとわかりやすいかもしれません。
噛むことを意識して、楽しく食卓を囲めるとよいですね。

子どもの頃からの早食いは、大人になってから改善しにくいため、ゆっくりよく噛んで食べることを今から習慣づけていくことが大切です。
それが子どもの肥満対策になり、大人になってからも生活習慣病予防にもつながります。
できることから一緒に始めていきましょう!


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