唾液が減少するとどうなるのか

唾液が減少するとどうなるのか

唾液が減少するとどうなるのか

2023.01.21

唾液とは、唾液腺から口腔内に分泌される分泌液であり、水分だけでなく電解質や酵素などを含みます。
唾液の分泌量は1日1リットル~1.5リットルと言われていますが、個人差があり、健康状態や年齢、性別などによっても違いがあります。

唾液は食べ物を飲み込みやすくし、消化を助け、食べ物のカスを洗い流すだけでなく、酸を中和する作用(緩衝作用)や抗菌作用、そして歯や歯肉を病気から守る働きをしています。

 

食べ物を飲み込みやすくする

唾液は、食べ物を湿らせて飲み込みやすくします。
唾液には粘性があり、食べ物が塊になりやすく、嚥下がスムーズになるのです。

味を感じやすくする

舌の上には「味蕾(みらい)」という味を感じる器官があり、味物質が唾液に溶けて味蕾で味として感じます。
そのため、唾液が十分に分泌されていないと、本当の味が感じられません。

消化酵素としての働きをする(消化作用)

唾液の中には、「アミラーゼ」という消化酵素が含まれています。
アミラーゼには、デンプンを分解して吸収をスムーズにする働きがあります。

細菌の働きを抑制する(殺菌作用)

唾液には口の中の細菌の働きを抑制して、病気を防ぐ働きがあります。
口の中に存在する、虫歯・歯周病の原因細菌はもちろん、外から入ってくるウイルスなどの働きを抑えます。

再石灰化を促進する(再石灰化作用)

細菌が作り出した酸によってエナメル質の成分が溶け出しますが(脱灰)、唾液に含まれるミネラルがそれを修復し、元の状態に戻します(再石灰化)。

酸性に傾いた口内環境を中和する(緩衝作用)

食事をすると、口の中が酸性に傾いて脱灰が起こりやすくなりますが、唾液によって酸が中和されることで脱灰を防ぐことができます。

口の中を清潔にする働き(自浄作用)

唾液には、食べカスなどの口の中に残った汚れを洗い流す働きがあります。十分に唾液が分泌されていれば、口の中を清潔に維持できます。

 

何らかの原因で唾液の分泌量が減少すると、唾液の持つさまざまな効果が得られません。
そのため、食べ物が飲み込みにくくなったり、口の中がネバネバしたり、口が動かしにくくなったりするといったさまざまな症状が出てきます。
虫歯や歯周病に罹りやすくなり、口臭が強くなる原因にもなります

また、お口の中の洗浄作用が弱くなり、食べ物がお口の中にいつまでも留まってしまいます。
唾液の緩衝作用も弱まることで、飲食物によって下がったpHがなかなか元に戻らなくなり、エナメル質の脱灰作用が進み、むし歯になりやすくなります。
さらに、唾液の量が減ることにより、唾液に含まれる抗菌物質が減少し、歯周病のリスクも高くなってしまいます。

唾液を増やすには、まずしっかりと噛むこと。
そして、唾液腺マッサージなども効果的ですので、気になる方はぜひやってみて下さいね。


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