子どもの歯磨きと虫歯①

子どもの歯磨きと虫歯①

子どもの歯磨きと虫歯①

2022.08.04

お子さんが健康にすくすくと成長し、整った歯並びになるためには、乳歯の時期から虫歯のない健康な状態で、永久歯への交換期を迎えることが大切です。

■子どもの虫歯予防で大切なポイント

①食後の歯磨きを十分に行う
②虫歯の原因菌の感染と増殖を防ぐ
③砂糖の摂取量を減らす
④歯質を強くする

虫歯予防のポイントを押さえ、お子さんの歯が虫歯にならないよう、しっかり予防していきましょう!

■虫歯になるメカニズムを知っておきましょう

虫歯予防のためにはまず、どうやって虫歯になってしまうのか知ることから始めましょう。

虫歯は4つの条件が揃うと発生します。
お口の中に「歯」があり、そこへ「糖分」が取り込まれ、歯磨きされないまま「時間」が経過すると「細菌」が増殖して酸を作り、歯が解けてしまうのです。
これら4つの条件がそろわないようにすることが虫歯予防につながります!

また、子どもが虫歯になりやすい原因は、大きくわけて3つあります。
①親から子どもに虫歯菌が感染する
人間一人一人の虫歯菌の数は違いますが、実は産まれてきた赤ちゃんのお口の中には、虫歯菌はいません。
虫歯菌の代表、ミュータンス菌は親や祖父母から感染すると言われています。
母乳やミルクが終わり、離乳食が始まり、離乳が進んでくると、親(祖父母)が自分のスプーンや箸で食べさせたり、過度のスキンシップ、温かい物をフーフーと息をかけて冷ますことで、唾液を介して感染することが多いです。
特に乳臼歯(奥の乳歯)が生えてくる生後1年半から2年半は、食事できるものが増え、感染しやすい要注意時期と言われています。
この時期に、虫歯菌の感染が少なかった子は、その後も虫歯菌は少なく、虫歯になりにくいようです。
②歯磨きができていない
ちゃんと磨いているはずなのに、虫歯があるなんてショック。
毎日診療しているとこの言葉を何度も耳にします。
磨いていると磨けているは、大きく違います。
虫歯になりやすい場所は、奥歯の溝・歯と歯ぐきの境目・歯と歯の間です。
意識して歯ブラシを当てないと歯垢(プラーク)を取れない所です。
歯が生えたら、ガーゼや綿棒でお口の中に物が入るのを慣れさせることが大事です。
小学生の中学年くらいまでは、子どもまかせにせず、少なくとも夜寝る前は膝の上に横にさせて、上記部位を仕上げ磨きを習慣づけしてほしいです。
奥歯は歯と歯がくっついているため、歯ブラシだけではプラークは取れないため、フロスを使います。
③ダラダラと間食する
砂糖をはじめとする糖質(ショ糖)は、虫歯の原因菌であるミュータンス菌が歯を溶かす酸を作るための材料です。
同じ糖質の量でも、一度に摂取するより、ダラダラ食べをする方が虫歯になります。
せっかく唾液が脱灰した歯を再石灰化しようとしているのに、また脱灰が続いてしまうためです。
このように虫歯の原因になりやすいのは、糖質の量よりも摂取する頻度です。
アメやガム、グミ、ソフトキャンディ、キャラメルなど、長い時間かけて食べるお菓子は、虫歯のリスクが高いということです。
胃が小さく一回の食事量の少ない幼児期は、食事以外の時間におやつを与えて一日の栄養素を補う必要があります。
お菓子やジュース、スポーツドリンク、乳酸菌飲料には砂糖がたっぷり入っています。
できれば、果物やイモ類などを工夫しておやつにしてあげるといいでしょう。
おやつは毎日同じ時間に、決めた量だけ与えるようにしましょう。
以上のように、虫歯菌の数を減らす、歯の質を虫歯にならないように強くする、歯磨きができていないところを、しっかり磨けるようにする、間食を見直す、ことができれば虫歯を予防することができます。
 


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