虫歯菌について①

虫歯菌について①

虫歯菌について①

2022.11.01

健康な人の口の中にはいろいろな細菌がいて、そのうちの「ミュータンス菌」がむし歯の原因になります。
ミュータンス菌は、食べ物や飲み物の中に含まれている糖分をもとにして、ネバネバしたプラーク(歯垢)をつくり歯の表面にピタッとくっつきます。
ミュータンス菌はその中でどんどん増え続け、酸をつくります。
この酸によって歯からカルシウムが溶け出し、むし歯になります。
プラークを取り除くには、歯みがきをしっかり行うことが必要です。
また、半年に1回は歯医者さんで定期検診を受けましょう。

虫歯菌はどこから来る?

興味深いことに、新生児の口内にはミュータンス菌がありません
周りの大人の唾液に含まれている菌が感染するのです。
たとえば、箸やスプーンで食べ物をあげたり、同じコップで飲み物を飲んだり、キスをしたりすることで感染します。
虫歯菌は歯の表面に住みつくので、乳歯の生え始めから生えそろうまでの、およそ1歳半から3歳ほどの時期は特に注意が必要です。
はじめからミュータンス菌に感染しないで済むなら、殺菌・消毒の必要もなく最善の方法といえます。
とはいえ、私たち大人の大半はすでにこの菌が口内にある状態ですので、虫歯の予防のためには、数々の方法で殺菌や消毒に努めるしかありません。

また、虫歯菌は歯のようなところにしか住めないので、口の中に歯が生えていなければ生きていけません。
生後6ヶ月頃に歯が生え始めると虫歯菌への感染が始まります。
特に生後18ヵ月(1歳6ヶ月)から30ヵ月(2歳6ヶ月)までの時期に最も感染します。
この時期は特に注意が必要です。
また、乳歯の奥歯が生えはじめると、虫歯菌の生育場所が増えたり、砂糖の摂取する機会が増えてくるので感染はさらに起こりやすくなります。
イエテボリ大学の研究では、2歳前に感染した子供のほうが、2歳以降に感染した子供よりも虫歯が多い傾向があることが報告されました。
2歳までに虫歯菌の感染がなかった子供が4歳になったときの虫歯の本数はわずか0.3本でしたが、2歳までに虫歯菌の感染があった子供が4歳になったときには、虫歯の本数は5本もありました。
虫歯の本数になんと15倍以上もの差があることから、感染の時期が早いほど虫歯はできやすくなることが分かります。 

虫歯にかかりにくい人が存在する理由については、まず虫歯という病気が感染症の一種であることを念頭に置く必要があります。
つまり、ミュータンス菌などを始めとする虫歯菌に一切感染しなければ、そもそも虫歯を発症することはないのです。

 

次回は、虫歯菌を防ぐ方法についてお話します。

 


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