虫歯を放置するとどうなる?

虫歯を放置するとどうなる?

虫歯を放置するとどうなる?

2023.07.25

歯医者のイラスト「治療中」虫歯は、口腔内の細菌が食べ物の残渪を分解し、その過程で生じる酸によって歯のエナメル質が溶かされることで発生します。初期段階ではあまり症状を感じないため、自覚症状がない間に虫歯が進行してしまうことがよくあります。しかし、放置された虫歯は次第に深く大きくなり、最終的にはさまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。

 

まず、虫歯が進行すると歯の内部、歯質と呼ばれる部分を侵すようになり、そこから更に進行すると歯髄に到達します。歯髄は神経と血管が集中している部分であり、ここが虫歯の細菌に感染すると炎症反応を引き起こし、その結果、強い痛みが生じます。これが虫歯痛の主な原因となります。

さらに、この虫歯が進行し、炎症が根尖部へと広がると根尖周囲炎を引き起こします。根尖周囲炎は一般的には激しい痛みを伴いますが、場合によっては痛みがほとんどないこともあります。しかし、症状が少なくとも感染は進行し、感染症の拡大は全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。最悪の場合、感染が血流に乗って全身に広がり、敗血症や心内膜炎を引き起こす可能性があります。

 

虫歯による痛みは、食事を妨げ、生活の質を著しく低下させることがあります。痛みによって噛むことが困難になると、食事の選択が制限され、結果的に栄養状態に影響を与える可能性があります。また、一部の食事を避けることで噛む力が偏り、噛む力の均衡が失われることで顎関節症を引き起こすこともあります。

さらに、虫歯による痛みは睡眠を妨げることもあります。痛みによって質の良い睡眠を取ることができなければ、それがストレスや疲労を増加させ、全身の健康に影響を及ぼす可能性があります。

また、虫歯による痛みが頭痛を引き起こすこともあります。特に顎の歯が虫歯になると、顔の感覚を制御する三叉神経の一部が刺激され、それが頭痛を引き起こす可能性があります。さらに、痛みによって顎の筋肉が緊張し、その結果として頭痛を引き起こすこともあります。

 

虫歯の治療を遅らせると、最終的には歯を保存することが難しくなり、抜歯が必要になることもあります。歯が欠損すると、それが噛む力のバランスを崩し、残った歯に負担を与えることになります。また、欠損した歯を補うための人工歯やインプラントは時間とコストがかかるだけでなく、自然な歯ほどの機能を発揮することは難しいと言われています。

 

以上のように、虫歯を放置するとその影響は口腔内だけに留まらず、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。早期の発見と適切な治療が重要です。自宅での口腔ケアはもちろんのこと、定期的な歯科健診を受けて、早期に虫歯を発見し、適切に治療することが必要です。


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